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8〜9月にかけて白老で滞在制作を行った森永泰弘さんの長編レポート、後編です!

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展示:田辺本店と録音物の記憶

記録した音は、成果報告会という形で、白老駅近くの今は閉店している文房具屋の田辺本店で行うことになった。

店内には当時販売されていた文房具や数十年前の広告ポスターが放置されていた。当初は商品を片付けてまっさらな状態で展示を行う予定だったが、閉店した田辺本店の記憶が如実に表れている空間を活かした展示を行いたかったため、あえて手を加えるようなことはしなかった。

僕は店内の商品ケースにスピーカーを仕込んで、音源となるスピーカーを見ることなしに音を聴いてもらうような展示をすることに決めた。

※田辺本店の店内風景

この数年、僕は写真家の石川直樹さんと、写真と音の組み合わせで展示する機会が何回かあった。写真という時間が止まるメディアに音を合わせていくことで、写真の中で音が鳴っているかのような、新しい世界観を創出する展示作品をいくつか制作した。

しかしその一方で、写真の持つ視覚空間を逸脱するような音の力を見出すことは、なかなか難しいと感じたのも事実であった。

そのため、今回は視覚情報とは完全に相反する時間の中でレコーディングした音を再生し、今はなき田辺本店の記憶と僕がこれまでレコーディングした音の記憶を合体させて、聴覚に入ってくる「水」の音がこの展示空間の時間を浄化していくようなことを試したかった。


これまで映画や写真など視覚メディアに対する音の仕事をしてきて、フレームに映された世界に音が一度入り込めば、見ている人は映された視覚空間とその音を関連づけてしまうことを感じていた。今回のプロジェクトでレコーディングした音は、視覚空間に根ざしたものが比較的多かった。その文脈から意味を探り出してレコーディングしていくことで、想像もしていなかった新たな音との出会いがあると思ったが、今回の録音体験ではそれはなかった。

いずれにせよ、僕にとって、まずは何よりも記録していくことが始まりだと思っている。記録したものを聴いていくことで、作品制作につながる何かを、音の側から投げかけてくれるのではないかと考えている。

今回のプロジェクトに参加し、展示ができたことは、僕にとって新しいことを始めるきっかけとなった。今回は作品発表とまではいかなかったけれども、次なるステップに向けての兆しは十分に獲得することができたと思っている。白老との関わりはこれからだ。


8〜9月にかけて白老で滞在制作を行った森永泰弘さんの長編レポート、中編です。実際にポンアヨロ海岸などで録音した音や、白老民族芸能保存会の皆さんによるハンチカプリムセ(水鳥の舞)なども公開。ぜひ聴いてみてくださいね。

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環境音のレコーディング@ポンアヨロ海岸付近

車を運転してくれているスタッフの栗須さんや飛生アートコミュニティーの人たち、現場で出会った方々へ聞き込みしていると、ほとんどの人が白老といえば「水」だと言っていた。白老周辺には湧き水スポットがあり、アイヌ語で神の水を意味する「カムイワッカ」がいくつか偏在しており、今でもその湧き水を生活に利用している人がいると教えてくれた。

またポンアヨロ海岸付近の崖の上や下には、アイヌの伝説や神話が多く残されていることも教えてくれた。ここはその昔、倭人との交易の場で、今でもアイヌの先祖供養祭が行われていて、とても興味深く感じた。

さらにアイヌの叙事詩ユーカラや座り歌のウポポにも、海鳥や魚や鯨などを歌うものがいくつか存在しているようで、「水」をキーワードに白老の音文化をフィールドレコーディングしていくことにして、まずはポンアヨロ海岸へ向かうことにした。

この辺りは崖に覆われていて、真ん中をポンアヨロ川が太平洋に向かって流れている。東側の崖を登っていくと灯台のカムイエカシチャシがあり、さらに平地を歩いていくとオソロコッが見えてくる。

カムイエカシチャシの鼻灯台周辺で、持参した二本のコンデンサーマイクロフォンをMS方式でセットアップし、風防とウィンドジャマーをマイクに被せてレコーディングしてみた。時々やってくる強風で草木が擦れてパリパリした音が聴こえ、遠方ではピンクノイズに近い波音が持続的に聴こえてくる。正直なところ感動的なサウンドスケープというわけではないのだが、景色を損なわない音というか、期待を裏切らない環境音がヘッドフォンに聴こえてきた。

こういう音を一人で記録していると、常々フィールドレコーディングというのは孤独な行為だと思ってしまう。ヘッドフォンを装着した瞬間に周囲を遮断し孤立する。僕自身が聴いている音を、そばにいる人と共有することはまずできない。マイクロフォンを通じて増幅されて聴こえてくる音は、ヘッドフォンをしている自分自身しか聴くことができないのだ。

その寂しさ、孤独さを助長するかのような閑散としたサウンドスケープが、まさにこのカムイエカシチャシ周辺のサウンドスケープから感じとれた。録音する時間帯や日時、季節によって聴こえてくる音というのはどれも違うはずで、アイヌの方々がこの付近で先祖供養の儀礼を行うときは、きっと彼らの歌声がここの環境音と溶け合って、素晴らしい響きを伴って聴こえてくるはずだと思った。

僕は2017年9月と2018年6月に、カムイエカシチャシからさほど遠くない、ポンアヨロの河口から西側の断崖の海沿いをぐるっと回った一角にあるアフンルパロという場所でも録音を行なった。この辺りでは、漁港を行き来する漁船のエンジン音が、凝灰岩にあたって跳ね返ってくるフラッター音を聴くことができる。

このアフンルパロという洞穴、アイヌの伝説によると「あの世への入り口」という意味で、アイヌの方々は近寄らない場所のようだ。僕が訪れた2017年には、このアフンルパロはゴミが蓄積されていて洞穴とは言い難く、「あの世への入り口」だと信じるまでに少し時間がかかってしまった。

マイクを洞穴に向けて録音した音からは、漁を終えた船のエンジン音が凝灰岩に反射した音が聴こえ、上空では飛行機が轟音で通過していく音が聴こえてきた。このようなアフンルパロの音環境が、2018年6月の再訪時には全く異なる音として聴こえてきた。洞穴周辺のゴミの蓄積はいくらか少なくなっているものの、海岸からの波音は以前に比べて異常に大きく聴こえてくる。何よりも驚きだったのが、凝灰岩周辺が実は大学生たちのロッククライミングの練習場だったことで、彼らの話し声でこの辺りの音環境は埋め尽くされていた。大学生たちが、ここが文化的に大事な場所であることを理解しているのかはわからないが、ここのサウンドスケープは刻々と人為的な影響で変化していることが理解できた。

音環境のフィールドレコーディングというのは、屋外で音楽や歌のレコーディングを行うこととは異なり、自分自身が想像している以上に予想外の音が聴こえてくる。その音を発見するのが面白さの一つである。

特にフィールドレコーディングは視覚情報と連動していて、聴こえてくる音の文脈や意味を探すことで録音物の具体性が帯びてくる。どこそこの音、何の音という特定の視覚的情報にまつわる音をレコーディングすることで音に意味を持たせることもできるのだが、視覚的文脈から逸脱した音を聴取することができれば、音本来の面白さを発見することができる。

「水」をテーマにアイヌの神話や伝説と関係した環境音をいくつか録音していくと、水がしたたる音や波や川の流れる音は、一粒ごと、一波ごとで毎回異なって聴こえてくる(本来、水自体には音というものは存在しない。僕たちが聴く音というのは現象だ)。

それにも関わらず僕たちは、音を記号化し、異なる音をいとも簡単に集約してしまう。記号化することで音に文脈や意味が形成され、その音が何かを理解することで音の聴取行為は完結してしまう。そうではなく、音を音として聴き、自分が聴いたことのない音を見つけていく過程が、本来の聴取行為の面白さだと僕は思っている。このような関わり方で「水」をテーマにレコーディングしていくことで、今まで聴いたことのない音を聴くことができるのではないかと思った。

アイヌの神話や伝説にだって水に関係する音はいくつかある。座り歌ウポポにも、水鳥や鶴をテーマにした歌がある。ムックリという口琴でさえも、雨音を模倣した音だという一説があるくらいだ。僕は環境音だけではなく、音楽や歌の側からも白老と「水」に関する音を記録していくことで、より広い視座で白老のサウンドスケープをレコーディングしていけると考えた。


うたのレコーディング@ポロト湖畔の雑木林

今回のプロジェクトでは、白老民族芸能保存会の方々にも協力してもらった。ポロト湖畔の奥にある雑木林で伝統衣装を纏った保存会の方々と待ち合わせ、今回の趣旨を説明すると、皆さんが好意を持ってくれたことを大変嬉しく思った。10曲くらいレコーディングさせてもらったウポポやリムセ、子守唄の中には、水鳥の舞や鶴の舞など水に関連する歌もいくつかあった。

CDやインターネットを通じて1950年以降のアイヌの人たちが歌った録音物をこれまでたくさん聴いてきたが、やはり生で聴くと、音だけではわからなかったことがたくさん浮かび上がってくる。

東南アジアでのレコーディングでも、音だけ録音したのではわからないことが多々あった。アジアの伝統芸能は、音楽や歌と同時に舞踊がある。音楽だけを切り離すことはできないから、演奏に合わせて踊りも伴ってくる。踊りと歌で一セットなのだ。だから僕はフィールドレコーディングするとき、必ずビデオカメラを持っていき、踊りも同時に記録するようにしている。

今回レコーディングした歌も同じで、保存会の方々は手拍子を取りながら歌い、それに合わせて踊っていた。水鳥の舞であればそれをイメージした舞いをし、全員が輪になって踊る様は、これまで訪問してきたカンボジアのムノン族やインドネシアのトラジャ族、中国南部のナシ族と類似していた。保存会の方々の歌と踊りを記録させてもらったが、みんなが輪になって輪唱しあっていく様は、まさにアジアの音楽文化の象徴だと感じた。

※後編へ続きます!

8〜9月にかけて白老で滞在制作を行った森永泰弘さんから、長編レポートを寄稿していただいたので、前中後編に分けてご紹介します。

前編は、台風とともに白老入りした日の出来事から、北海道胆振東部地震を経てプロジェクトをスタートさせるまで。ぜひ読んでみてください!

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台風21号から胆振東部地震へ

本州で猛威をふるった台風21号が北海道に向かって北上していく中、僕も台風の進路と同じように羽田空港から新千歳空港に飛行機で向かった。荷物を引きとって到着口に出ると、いつもとは違う到着ターミナルの雰囲気に面食らった。どうやら台風でJRは発車の目処がつかず、乗客たちはターミナル内で数十メートルもの列をつくってバスが来るのを待っている。外に出れば、タクシーを待つ乗客たちでこれまた長い列をなしているではないか。陸路の移動がしばらくは難しいと思った僕は、ひとまずコーディネーターの橘さんに連絡し、空港内で待機することにした。数十分待って彼女と落ち合うと、タイミング良く白老在住の星さんが車で駆けつけてくれた。僕と橘さんは星さんの車に乗り込み、長い列をなしている人たちを横目に白老へ向かうことになった。

台風とともに白老に到着し、宿に荷物を預けた後、飛生芸術祭が開催される飛生アートコミュニティーに伺った。台風の影響で大木が倒れるという出来事もあったようだが、主催者チームが二日後に迫る芸術祭の開催に向けて汗だくになり作業を進めていた。小学校の一室で彼らと談笑しながら夕食をご馳走になり、宿に戻ると急に眠気が襲ってきた。いつものようにあっという間に熟睡するはずだったが、なぜかこの日に限って夢を見ていた。僕はその夢を今でも鮮明に覚えている。


おばちゃんたちがワイワイ話をしている。離れたところで、中国南部辺りの民族衣装を纏った少女がこちらを凝視している。近くのおばちゃんに「彼女は誰なんですか?」と尋ね、「あの娘は近くに住んでる子だから気にしないでいいの」と素っ気ない返事が返ってきた瞬間、映画のカットが変わるように少女の顔のクローズアップが僕の視界に入ってきた。その瞬間、部屋中が小刻みに揺れ始め、自分の携帯電話から聞いたことのない警報音がけたたましく鳴り始めた。夢か現実かを把握するまでに結構な時間がかかったはずだが、実際はほんの数秒だったのかもしれない。僕は、これは凄い地震になるなと察した。揺れがさらに強くなって身体を起こそうとがんばるが、そんな気持ちとは裏腹にどんどん身体は硬直していき、ただただ揺れが終わるのをじっと待つしかなかった。


地震が終わると上の階にいた橘さんが降りてきて、「今の地震すごかったですね」と携帯電話の明かりを顔に翳しながら興奮して話しかけてきた。他の滞在者も慌ただしく廊下に出てきたが、おそらく、みんな何が何だかわからない状態だったのだろう。宿は停電し、廊下の端っこにあるトイレの電気だけが付いていた。揺れが落ち着いたと思ったら、余震が何度もやってくる。部屋に戻って再び就寝を試みるが、地震以上に、頭の中では先さきほどの夢が気になり始めて、ただ携帯電話の明かりを頼りに時間が経つのを待っていた。


地震直後、電話は3Gと4Gが入れ替わりながらなんとかインターネットに接続できていたのだが、翌朝ほとんどつながらなくなっていた。同時に電話はほとんど使いものにならなくなっていた。飛生の人たちや滞在制作を一緒にするアーティストの曽我英子さんは平気か?津波は?など事態の深刻さにようやく気がつき始めた。最悪の事態を想定した上で、みんなで同じところにいた方がいいということになり、僕たちは曽我さんが滞在している宿に移ることとなった。


近くのコンビニへ行ってみたものの、ほとんどの商品は既に品薄で、ミネラルウォーターもなければ、オニギリもない。僕は若干の食料を購入して、橘さんと曽我さんと宿に戻り、夜に備えておとなしく待機することにした。蝋燭をテーブルに置いて、ラジオに耳を傾けながら時間が過ぎるのを待っていた僕たちは、初対面にも関わらずいろんなことを話した。そういう時間の中で緊張感も自然と緩み、距離感も縮んでいった。


停電で外に出ると辺りは真っ暗闇なのだが、上空は無数の星で満天に照らされていた。全方位から聞こえてくる圧倒的な虫の声は、視覚が閉ざされた僕たちの耳をより一層刺激していく。いつもとは違って見える星、違って聴こえる虫の音、違って感じる空気。電気が止まるだけで、僕たちの身体的な感覚がより野生的に感じる。次第に暗闇の中でも、誰が何処にいるのかわかっていくようになった。文明化された社会で当たり前のように電気と共に暮らしていると、自然との付き合い方というのも変わってくる。


数年前にボルネオ島のダヤック族の集落へ行った時、ジャングルにある電気が通らない村で、住民たちと夜中にお酒を飲み、お互いの顔が見えない中、ひたすら笑い声だけでコミュニケーションをとっていた。誰が笑っているのかは関係がない。ただそこに笑いがあり音がある。その音を聴き分ける必要なんて大したことではなかった。そこに音があり、それを聴く。それが彼らにとって大事なことなんだと感じた。その音こそ周囲をまとめ環境を変えていく。僕はダヤック族の音楽をレコーディングさせてもらいたくて、数十時間かけてこの村にやってきたが、催事日程と合わず結局レコーディングはできなかった。しかし彼らから、人間でいること、音を聴くこと、環境を受け入れることの大事さを教わることができた。


先進国にいる僕たちの生活の半分以上は、何らかの形で電気に頼っている。録音なんて電気がないと何もできない。その電気が寸断されたとき、より周囲の環境に自らの感覚をそばだてて、いつもとは違う世界に耳を傾けることができる。今まで以上に「聴く」という行為が自分の生命と密接に関与するような感じだ。今回の地震がもたらした経験は、ボルネオに行った時とは比べものにならないくらい大事な何かを教えてくれた。音を録るということは聴くことと同じで、聴くという行為には環境が伴う。


今回の白老での滞在を通じて、まず僕は聴くことから始め、その中で録ることの意義を問い直していくことから始めないといけないと感じた。今回のプロジェクトでは、まず白老周辺のサウンドスケープを聴きながらフィールドレコーディングをしていくことで、作品にするべき何かがわかってくるだろうと思い、僕のプロジェクトはスタートした。


※中編へ続きます!

ウイマム文化芸術プロジェクトにてインターンシップを行なっている、北海道教育大学岩見沢校2年の瀧澤佳奈実です。

12月8日に白老町にて、OKIさんと大城美佐子さんによる音楽ライブ「雪珊瑚」が行われました。100名近い方々にご来場いただきました。

第一部はOKIさんによるパフォーマンス。アイヌ民族に伝わる伝統的な弦楽器「トンコリ」の音が響くと、少しの懐かしさとともにエスニックな雰囲気が会場を包みました。

寒さの厳しい大地を感じさせるまっすぐで乾いたトンコリの音色は、まさに自然の中で強く生きるアイヌ民族を思わせました。雄大な自然に風が吹き抜けて行くような穏やかで爽やかな曲から、熱く燃える炎を思わせるような力強い曲まで様々な曲が披露されました。

特に印象的だった「SUMA MUKAR」という曲は、リズミカルなトンコリの音から軽快に始まり、力強く熱い歌声によって強いメッセージ性を感じました。「SUMA MUKAR」は石の斧という意味で、曲には「人間よ互いに物惜しみするな、重い雫から落ちて行く」という意味の歌詞があり、これには富を独り占めすることなく、みんなで分け合っていこうというメッセージが込められていたように感じました。多くのモノが溢れ、一人でも生きていけるのだと錯覚しやすいこの現代において、助け合うというこの精神を忘れてはいけないと考えました。

第二部の前半は、大城美佐子さんによるパフォーマンスです。「絹糸の声」と評される伸びのある芯の通った歌声に、会場はぐっと引き込まれていました。三線と太鼓によるゆったりとした音楽とまっすぐ自由に伸びる歌声は、沖縄の暖かくのびのびとした生活を思わせます。また、女性の恋の気持ちを歌った歌もあり、女性の思いを歌うその歌声や表情には、恋する女性の魅力と艶やかな雰囲気が漂い、またまた引き込まれてしまいました。

後半には、大城美佐子さんとOKIさんのパフォーマンスが行われました。のびのびと歌う大城さんに寄り添うようにOKIさんのトンコリの音色が響き、会場を魅了していました。

北海道と沖縄、それぞれの音楽の持つ良さが綺麗につなぎ合わされて、それぞれの共通項と言えるのんびりとしてまっすぐ心に刺さるような音楽が生まれていました。互いに信頼しあっている二人だからこそ生み出せる音楽なのだと思いました。最後に近づくにつれ、会場もどんどん一体となっていき、最終的には一つの輪ができたように、ご来場された多くの方々が楽しげにダンスを踊っていました。

ライブ終了後にご来場された方から感想をいただきました。「大城さんの三線によって生まれた沖縄の情景に、北のイメージの強いOKIさんのトンコリの音がどんな風に交わるのかにすごく興味があった。(実際に聞いてみると)OKIさんのトンコリの音色が雄大な大地を思わせ、その演奏の中で大城さんが女性らしく可愛らしい思いを歌っているのが目に浮かぶようで、本当に素敵な時間だった」という感想をいただきました。

北海道と沖縄、北と南。一見すると両者は何も関係がないように思えます。しかし実際に両者を対面させてみると、意外なところに共通項が見つかるんだとわかりました。日本列島の最北と最南で気候も何もかもが違うけれど、お互いに共通するものとして、どちらもゆったりとした穏やかな人間性を持っているんだと気づきました。

一目見て関係がなさそうだからと早々に区別してしまうのではなく、違いを見つけながらも共通しているものを見つけ相互に認め合うことで、ホンモノの信頼関係を築くこと・文化の多様性を認めて新しいものを生み出して行くことにつながるのではないかと感じた時間でした。

ご来場いただきました皆様、誠にありがとうございました。

写真撮影:川尻亮一

ウイマム文化芸術プロジェクトでインターンシップを行なっている北海道教育大学岩見沢校2年の瀧澤佳奈実です。

11月11日にNPO法人S-AIRが企画したトーク・セッション「フィールドワークとレジデンス」において、ウイマム文化芸術プロジェクトでアーティスト・イン・レジデンスを行なった森永泰弘さんと曽我英子さん(スカイプ参加)がゲストとして登壇したので、そのレポートをします。

はじめにトークをしたのは、曽我英子さん。白老で行なっていたレジデンスの体験から、白老の魅力や地元の方達との関わり合いについてお話されていました。

アーティストと地元住民がこのようなレジデンスに関わることは、双方にとって大きな挑戦であり、フィールドワークによってできた作品やその感想をお互いにシェアすることが大切だとおっしゃっていました。

次は森永泰弘さん。「音」の違いによる新しい世界地図の制作を目指しており、主に東南アジアにてフィールドワークを行われています。

「伝統とは今である」。森永さんは、今あるモノをどのようにして未来へ「伝統」として受け継いでいくのかという考え方を作品に多く取り入れているそうです。

 次は北海道大学スラブ・ユーラシア研究センターを拠点に研究をしている、社会文化人類学者のエド・プルフォードさんが、土地の文化や生活を調査するための長期滞在の重要性についてお話してくれました。

研究者は文化を持ち込むのではなく、その土地の文化を知るために長く滞在する必要があり、調査のためにも、研究者が身近に住んでいるという状況が地元住民にとって普通になることが重要であるそうです。そして実際に生活することで、その土地の人々が大切にしていることを「見つける」ことが研究へとつながっていくのだとおっしゃっていました。

質疑応答では、まず自分が気になったこととして、「東南アジアの島国の伝統音楽に見られる共通性は、アイヌ文化にも見られるのか?」ということを森永さんに聞けてよかったです。

他にも、会場から「地域の人々と親交を深めすぎたために自身の取り上げたいテーマを扱いづらくなるなど、関係性ができることで作品制作又は研究に困難が生じることはありますか?」という質問が出ました。これに対し、曽我さんは「地元の人々との交流が深まる中で、その人たちがあまり表立って言いたくないことを聞いてしまうこともあり、そういったときは非常に心苦しいが、その事実が重要な情報になる」と答えていました。

エドワードさんは、「立場の違う人(敵対している人)の間に挟まれてしまうこともある。しかし長期滞在を行なっているおかげで、一方と険悪になったとしても関係を再構築していける時間がある」と話していました。

一方、森永さんは、「その地域の人々から、自分が取り入れようとしていないものを逆に取り入れるべきだと言われるなど、距離を置いた方がいいと思っているものに対して、逆に向こう側から提案してくれることがある」と話していました。

その後も、曽我さんから森永さんやエドワードさんに対する質問が出たりして、いろいろな話が聞けてよかったです。

今回のトークショーでは、自分自身にとっても、フィールドワークを行うための様々な視点に触れることができました。ご来場いただいた皆さま、誠にありがとうございました。

撮影:山本顕史

「ウイマム文化芸術プロジェクト」第四弾として、沖縄民謡界の至宝・大城美佐子と、アサンカラ(旭川)アイヌの血を引き、樺太アイヌの伝統弦楽器「トンコリ」の奏者であるOKIのライブを開催します。

大城美佐子は唄の道を歩み続けて61年、その伸びやかな高音は「絹糸の声」と評されます。OKIは、アイヌの伝統を軸足に斬新なサウンド作りで独自の音楽スタイルを切り拓き、知られざるアイヌ音楽の魅力を国内外に知らしめてきたミュージシャンです。本ライブは、沖縄音楽とアイヌ音楽という、北と南の遠く離れた土地で培われたリズムを奏でる二人のミュージシャンによる、豊かな対話の時間となることでしょう。多彩なリズムが交わることで生まれる濃密なひと時を、どうぞお楽しみください。

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ウイマム文化芸術プロジェクト 大城美佐子×OKI LIVE in 白老
天下無類之良質公演「雪珊瑚」


日時:2018年12月8日(土)17:45 開場 / 18:30 開演  

会場:ナイトパブ キャメル No.1 (白老町大町3丁目1-16)

入場料:前売券& 予約2,500円 / 当日3,500円(共に2ドリンク付)

    ※中学生以下 無料

前売券取扱(町内2店舗):

白老観光協会(白老町東町2丁目1-1)

Rempei Mizuno(白老町東町2丁目4-8)※18時以降

電話予約:090-2816-4505(平日9時〜19時 担当:栗栖)

メール予約:Info.uymam@gmail.com

※定員になりましたので、予約受付・販売終了となります。当日券の販売もございませんので、ご了承ください。

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大城美佐子

1936年大阪市大正区北恩加島生まれ、名護市辺野古育ち。幼少期の一時は内地でも暮らす。祖父や親戚に古典音楽の名人を持ち、20歳頃から古典や舞踊を習う。普久原恒勇や上原直彦らに強く勧められ、知名定男の父、知名定繁に弟子入りして民謡の道に進む。1962年シングル「片思い」でデビュー。その伸びやかな高音が「絹糸の声」と評され大ヒットとなる。やがて三線1本を抱えて東京、神奈川、大阪など内地を長らく彷徨の後、沖縄に戻り、民謡界の至宝、嘉手苅林昌とデュオを組む。林昌をして「コンビ唄はミサーに限る」と言わしめたほどの名コンビとして活躍。現在は那覇市東町で「大城美佐子の店 島思い」を経営しながら、国内・海外での公演など精力的に活動中。近年のCDアルバムは、「唄ウムイ」(2007年)、よなは徹との共作「ふたり唄」(2012年)、堀内加奈子との共作「デュエット」(2012年)、知名定男や宮沢和史らと共演の60周年記念版「島思い十番勝負」(2017年)。

OKI

先祖はオタスウンクル、石狩川筋のアイヌ。

博物館のガラスの向こう側に過去の楽器として飾られていた樺太アイヌの弦楽器TONKORI。1993年、TONKORIに新しい生命を宿すために演奏と楽器製作を学び始める。未来的アイヌ音楽を創造し世に送り出すレーベルCHIKAR STUDIOを運営。安東ウメ子、Marewrew、Oki Dub Ainu Bandなど20タイトルの作品をプロデュース。日本での活動のほかWOMADなど海外音楽フェスにも多数出演している。

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文化庁委託事業「平成30年度戦略的芸術文化創造推進事業」 

主催:文化庁/ウイマム文化芸術実行委員会

企画制作:ウイマム文化芸術実行委員会

後援: 北海道教育庁胆振教育局/白老町/白老町教育委員会/一般社団法人白老観光協会/

NPO法人北海道遺産協議会/白老町商工会/協同組合白老商業振興会/

虎杖浜竹浦観光連合会/一般社団法人白老青年会議所/室蘭民報社/苫小牧民報社/

北海道新聞苫小牧支社/読売新聞社苫小牧支局

協力:Chikar Studio/飛生アートコミュニティー/株式会社haku/ NPO S-AIR

Rempei Mizuno/ Mgene Design/河庄居酒屋/はくねん/UTAU Company

2018年9月6日に発生した北海道胆振東部地震の影響により、延期となっていたパブリック・ミーティングですが、日程と内容を再調整し、11月18日(日)に開催する運びとなりましたので、ご案内申し上げます。


「共生の方法」と題したパブリックミーティングでは、地域、アート、多様性・多文化共生をテーマにしています。背景の異なるさまざまな他者を受け入れ、違いが面白みになるような社会を目指していくための、共生の方法を探る場にしたいと考えています。

加えて、大地震後の白老町・飛生アートコミュニティーで、自分たちが体験した「リアルな共生の時間」も皆さんと共有したいと思いました。余震が続き、電気や水道、電波などのライフラインが絶たれた中、そこに居合わせた者同士が協働してサバイブした時間。パネリストの羊屋白玉さんや国松希根太さんは、その時間を共有した仲間です。


今回、パブリック・ミーティングを延期開催するにあたり、当初のイメージとしての「共生の方法」に加え、震災などをふまえた、よりリアリティのある共生についても各パネリストの事例報告に盛り込んでいただき、意見交換できればと考えています。


皆様のご参加をお待ちしております。

どうぞよろしくお願いいたします。

※第1回目のパブリック・ミーティングのレポートはこちらから

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ウイマム文化芸術プロジェクト

パブリック・ミーティング

「共生の方法 Ways of Living Together」

日時:2018年11月18日(日)
14:00〜17:00(30分前開場)

参加費:無料
会場:飛生アートコミュニティー(旧飛生小学校)体育館

(北海道白老郡白老町字竹浦520)
※会場内のグラウンドに駐車ください。


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【第1部:事例報告】
●旅することで土地と人とともに祭りを生み出す。
パネリスト:杉原信幸さん (美術家 / 信濃の国 原始感覚美術祭ディレクター)


白老の湖、ポロトコタンの忘れがたい聖地の気配、その地がウイマムとなる必然。縄文時代の交易は、旅と贈与に開かれていました。ヒスイの美しい魂の造形、旅する「マレビト」は、どのように土地の精霊を宿らせ、また土地へと運んで行くのか。その往還について話せればと思います。

<プロフィール>

1980年長野県生まれ。2007年東京藝術大学油画専攻修了。詩人の吉増剛造ゼミ参加。2008年個展『丸石座』詩人の吉増剛造と共演。2010‐12年「会津・漆の芸術祭」参加(福島)。2011-12年「ストーンサークルフェスティバル」(青森)縄文友の会(田口ランディ、山田スイッチ)と現代のストーンサークル制作。2016年「ストーンプロジェクト」(スウェーデン)、「瀬戸内国際芸術祭」SOKO LABO(香川)、2016-17年「笠岡諸島アートブリッジ」(岡山)、2017年「北アルプス国際芸術祭」(長野)、「貝殻の舟―シラヤ、神話を紡ぐ」/「AIR in Tainan」(台湾)、「六甲ミーツ・アート2017」(兵庫)、「旅する原始感覚―ストーンサークルフィールドワーク」(イギリス、アイルランド、スウェーデン)「竹子湖AIR」(台湾)、2018年「ONE DREAM projectレジデンス」(広島)、「Green Residency」(Maumau labo/ブラジル)参加。 2010年より「信濃の国 原始感覚美術祭」を主催。2018年より、信濃大町「まれびとの地」アーティスト・イン・レジデンスと「まつしろ現代美術フェスティバル」のディレクターを務める。


●人に会い、声を聞き、語り合い、そこから、社会を考え、芸術をつくりだす。
パネリスト:羊屋白玉さん (「指輪ホテル」芸術監督、劇作家、演出家、俳優)


国内外の現代美術の芸術祭に招聘され、その土地の象徴的な場所、例えば海や列車や庭園などで演劇作品を発表してきました。最新作の地はニューヨーク。ベトナム戦争の混乱の中、ボートピープルでアメリカへ渡った女性たちのインタビューから戯曲をつくり、彼女達の声でリーディング公演をしました。

<プロフィール>

主な演劇作品は、2001 年同時多発テロの最中ニューヨークと東京をブロードバンドでつなぎ、同時上演した「Long Distance Love」。2006 年、北米ヨーロッパをツアーした「Candies」。2011 年、アメリカ人劇作家との国際協働製作「DOE」。2013 年、瀬戸内国際芸術祭では海で、2014 年の中房総国際芸術祭では鐵道で、2015 年、大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレでは雪崩よけのスノーシェッドで公演した。札幌国際芸術祭2017 では、札幌の市電で新作発表。演劇作品以外の活動は、2013 年よりアジアの女性舞台芸術家たちとのコレクティブを目指す亜女会(アジア女性舞台芸術会議)を設立。2014 年よりアーツカウンシル東京にて、東京を舞台に「東京スープとブランケット紀行」始動。2006 年、ニューズウイーク日本誌において「世界が認めた日本人女性100 人」の一人に選ばれた。


●地域の人と創造の現場を共にする
パネリスト:国松希根太さん (彫刻家 / 飛生アートコミュニティー代表)


飛生アートコミュニティーに所属する彫刻家です。2002年に飛生に移り住み、そこで生活しながら制作を続ける中で、アトリエという創造の現場を芸術祭の会場とした理由や、周囲の人との関わりなどをお話する予定です。

<プロフィール>

1977年、札幌市生まれ。多摩美術大学美術学部彫刻科を卒業後、2002年より飛生アートコミュニティー(北海道、白老町)を拠点に制作活動を行なう。近年は、地平線や水平線、山脈といった風景の中に存在する輪郭(境界)を題材に彫刻や絵画、インスタレーションなどの作品を制作している。主に個展、グループ展などで作品を発表し、スパイラルガーデン(東京)での個展"material"や、サヴォア邸(ポワシー、フランス)でのグループ展"* folding cosmos VILLA SAVOYE"、越後妻有地域 (新潟県十日町市、津南町)での"大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ2018”など国内外で発表活動を続けている。また、アヨロラボラトリーの活動としてアヨロと呼ばれる地域を中心に土地のフィールドワークを続ける。飛生アートコミュニティー代表。


●文化と社会の「生態系」とは?
パネリスト:大澤寅雄さん (文化生態観察 / アートNPOリンク理事)


文化と社会の関わり方を「生態系」と捉えて観察しています。福岡県糸島市の「糸島芸農」という芸術祭に関わりながら、マレビト(稀人)としてのアーティストとマレビト(客人)が出会う場や装置についてお話します。

<プロフィール>

1970年生まれ。(株)ニッセイ基礎研究所芸術文化プロジェクト室主任研究員、NPO法人アートNPOリンク理事、NPO法人STスポット横浜監事、九州大学ソーシャルアートラボ・アドバイザー。慶應義塾大学卒業後、劇場コンサルタントとして公共ホール・劇場の管理運営計画や開館準備業務に携わる。2003年文化庁新進芸術家海外留学制度により、アメリカ・シアトル近郊で劇場運営の研修を行う。帰国後、NPO法人STスポット横浜の理事および事務局長、東京大学文化資源学公開講座「市民社会再生」運営委員を経て現職。共著=『これからのアートマネジメント"ソーシャル・シェア"への道』『文化からの復興 市民と震災といわきアリオスと』『文化政策の現在3 文化政策の展望』。


【第2部:意見交換】

ウイマム文化芸術プロジェクトって?
パネリスト:木野哲也 (ウイマム文化芸術プロジェクト ディレクター / TOBIU CAMP ディレクター)

進行:大澤寅雄さん


最初に、今年から白老町内で実施される「ウイマム文化芸術プロジェクト」の内容についてご紹介。そのあとは、大澤さんが進行役となり、ゲストや会場の皆さんと意見交換。どなたでも幅広い世代の方々に参加してもらえる場をつくりたいと思います。「こんな工夫をするともっと面白くなるのでは?」「自分もこんな風に関わることができるかも」「自分の地域はこんな面白い人がいる」「おじいさんにこんな伝説を聞かされたことがある」などなど、第1部の話も参考に、地域の資源、町の課題などもふまえながらアイデアを出し合いましょう。


★「ウイマム -uymam-」とは?

アイヌ語で「交易(※)」を表す。特に初期ウイマム(1600年代初期)は人と人、集落と集落、アイヌと他国・地域等、相互の目的や利益を叶えるための対等な交換儀礼であり、文字を持たぬアイヌにとってモノだけでなく精神文化の面でも重要な交流であったとされる。

※参考辞典:『アイヌ語沙流方言辞典』田村すず子、草風館 / 『アイヌ語千歳方言辞典』中川裕、草風館 / 『萱野茂のアイヌ語辞典 増強版』萱野茂、三省堂

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文化庁委託事業「平成30年度戦略的芸術文化創造推進事業」

主催:文化庁 / ウイマム文化芸術実行委員会

企画制作:ウイマム文化芸術実行委員会

後援: 北海道教育庁胆振教育局 / 白老町 / 白老町教育委員会 / 一般社団法人白老観光協会 / NPO法人北海道遺産協議会 / 白老町商工会 / 協同組合白老商業振興会 / 虎杖浜竹浦観光連合会 / 一般社団法人白老青年会議所 / 室蘭民報社 / 苫小牧民報社 / 北海道新聞苫小牧支社 / 読売新聞社苫小牧支局

協力:飛生アートコミュニティー / NPO法人S-AIR / M gene Design / ウタウカンパニー株式会社

お問い合わせ:info.uymam@gmail.com

9月21〜23日に開催された、アーティスト・イン・レジデンスプログラム in 白老滞在制作成果発表「曽我英子&森永泰弘 展覧会」。

会場となったのは、旧田辺本店です。

閉店時の売り場がそのまま残る店内を利用して、音の作品を展示していた森永泰弘さん。

通路を歩くと、森永さんが滞在中に録音した川の水音や、白老民族芸能保存会による伝承歌「サロルンチカプリムセ(水鳥の舞)」などが聴こえてきて、とても不思議な感じです。

これは一体どこから聴こえてきてるんだろう???と、文房具の間をキョロキョロと探すお客様も多数。

森永さんの作品は外にも展示されていました。

(この時はムックリの音が響き渡っておりました。)

こちら↓は、曽我英子さんが制作した映像作品の《根曲がり竹》。

そのほかに、白老に唯一ある竹材店の竹浦物産から提供いただいた根曲がり竹や、1970年代の8ミリフィルムをデジタル化した映像も。

日曜日はアーティスト・トークも開催。

各作品の制作過程、滞在中のエピソード、今回の滞在からどんなことを得たのかなどを紹介してくれました。

会場からも「白老はどんなところ?と聞かれたら、どう答えますか?」「制作時にどんなことを考えていましたか?」などの質問が。

この後は、旧柏村旅館で開催されていた「シㇽキオ プロジェクト」と飛生芸術祭の商店街企画の一環である「シラオイ・マッシュルーム・パビリオン」へみんなで移動。

※シㇽキオ プロジェクトを企画した「白老市街地プロジェクト」についてはこちらのサイトをご覧ください。

二つの展示会場をゆるりと行き来しながら、商店街をのんびりと楽しめる機会となりました。

そして陽が落ちてくると、旧田辺本店は外からも映像を鑑賞できるように。

展示終了直前までお客さんが絶えず、たくさんの交流が生まれた3日間となりました。お越しいただいた皆様、どうもありがとうございました。

また、作家の滞在中、地元白老の方々には本当にいろんな場面でお世話になり、たくさんのご協力をいただきました。

今回の滞在作家の森永さんは、今後もリサーチと録音のために白老を継続して訪問予定で、曽我さんも来年再び訪問を計画しているとのこと。

両作家と白老のご縁は、これからもずっと続いていきそうです。今後もどうぞよろしくお願いいたします!

柏村旅館の写真以外、撮影:川尻亮一

「ウイマム文化芸術プロジェクト」第三弾として実施中の、2名の招へい作家による滞在制作(アーティスト・イン・レジデンス)プログラム。

9月21日(金)〜23日(日)には、展覧会とトークイベントを開催します。

招へい作家は、イギリスを拠点とする美術作家の曽我英子、そして東京を拠点に国内外で儀礼や祭祀、音楽文化、環境音等を録音しながら音の作品を発表する森永泰弘。作品の形態は違いますが、共にフィールドワーク(現地調査)を通した文化・社会人類学的手法を取り入れています。

この二人が、白老に滞在し、今の白老を生きる人々との交流や土地を通じて、その歴史、文化、風土について学び、作品を制作。

3日間の展示と最終日のトークでは、ご来場くださる皆さんと共に、作品を通してアーティストたちが解釈した「シラオイ」について考え、語る場になれば幸いです。


※展覧会チラシは以下からダウンロードできます。

https://goo.gl/uz9jDe

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<展覧会詳細>

ウイマム文化芸術プロジェクト アーティスト・イン・レジデンスプログラム in 白老

滞在制作成果発表「曽我英子&森永泰弘 展覧会」

2018年9月21日(金)〜23日(日)

開館時間: 10:00〜18:00 ★入場無料

関連イベント:9月23日(日)13:30〜 アーティスト・トーク

会場:旧 田辺本店(白老駅前) 北海道白老郡白老町大町2丁目3-20

※JR白老駅 南口交差点角


<作家プロフィール>

●曽我英子 Eiko Soga

ロンドン大学スレードスクール彫刻学科卒業後、北海道でフィールドワークを行うようになる。2016年に滞在した二風谷では、アイヌの着物「チカラカラペ」や鮭靴「チェプケリ」作りを習い、ものづくりを通して、その土地の風景や歴史と人々の営みを実際に生活しながら学んだ。フィールドワークから得た知識や、出会う人々との記憶を辿りながら制作を行い、それらを、映像、テキスト、インスタレーション作品として発表している。アートの視点から、社会環境から感じる違和感をどう理解し「問う」ことが可能であるかを探求しながら活動を続ける。

https://www.huffingtonpost.jp/sogaeiko/15years-oxford_a_23468992/

http://www.eikosoga.com


●森永泰弘 Yasuhiro Morinaga

東京藝術大学大学院を経て渡仏。帰国後は芸術人類学的な視座から世界各地をフィールドワークし、楽器や歌の初源、儀礼や祭祀のサウンドスケープ、都市や集落の環境音をフィールドレコーディングして音源や作品を発表している。また映画や舞台芸術での音楽や音響のディレクションも数多く担当しており、ジャンル横断的に様々なアーティストとコラボレーションをおこなっている。近年はアジアのゴング文化に興味を持ち記録活動をおこなっている。www.the-concrete.org

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文化庁委託事業「平成30年度戦略的芸術文化創造推進事業」

主催:文化庁 / ウイマム文化芸術実行委員会

企画制作:ウイマム文化芸術実行委員会

後援:北海道教育庁胆振教育局 / 白老町 / 白老町教育委員会 / 一般社団法人白老観光協会 / NPO法人北海道遺産協議会 / 白老町商工会 / 協同組合白老商業振興会 / 虎杖浜竹浦観光連合会 / 一般社団法人白老青年会議所 / 室蘭民報社 / 苫小牧民報社 / 北海道新聞苫小牧支社 / 読売新聞社苫小牧支局

協力:竹浦物産竹材店 / 協同組合白老町商業振興会 / 株式会社はくねん / NPO法人 御用聞きわらび / 登別映像機材博物館 / 知里幸恵 銀のしずく記念館 / 株式会社haku / 飛生アートコミュニティー / マユンキキ / NPO法人 S-AIR / M gene Design / Rempei Mizuno / 白老民族芸能保存会 / ウタウカンパニー株式会社 / 田辺やえこ / 遊狸庵 / 野本正博 / 立石信一 / 飯島博光 / 菊地辰徳 / YORMA / 白老観光協会 / Nolan Perison / Nalyssa Runge